10/11月は企業の決算発表が目白押しです。皆さんが保有している企業の業績はどうでしたか?米国の大幅な利上げによる景気後退や円安による生活への影響など、さまざまな不安要素があり株の購入を戸惑う方もいると思います。高配当銘柄を基本とした私の保有銘柄の決算について紹介しますので、参考にしてください。
なお、私の銘柄選定は、基本的には企業情報を独自の採点基準により採点した点数より決めていますが、他には得点では表せないよう大企業の銘柄も保有しています。それでは紹介していきます。
日本高配当株 保有銘柄決算一覧
まずは10月に決算報告があった私の保有する銘柄一覧です。
22年10月の決算報告があった銘柄は、全部で13銘柄ありました。このうち決算報告前までに増配が決まっていたのはキヤノン、電源開発(Jパワー)、イエローハットの3社。今回の発表で増配が決まったのがリケンテクノス、兼松エレクトロニクス、ヒガシトゥエンティワンの3社です。ちなみに去年から減配予想はバルカーと蔵王産業の2社です。
日本高配当株 もともと昨年度からの減配予想の2社
◆バルカー
通年予想は据え置きですが半期は好調です。ただ下期は米国の利上げによる半導体や産業機械関連の需要減少が予想されます。それを織り込んでの通期経常利益の据え置きとなっています。配当は去年が好業績だったため減配予定ですが。EPSは去年と同程度を予定しており、減配幅も小さいので今後に期待ができます
◆蔵王産業
こちらもバルカー同様に去年が良すぎました。配当推移グラフから例年通りの成長推移からすると68円というのは、それほど悪くない数字です。そして株価も68円配当で約4%ですので、まずは通年予想を達成して68円の配当をきっちり出してもらえれば問題ないです。通期目標に対する上期の進捗は54.1%と悪くないです。決算短信によると「付加価値の高い新商品の積極的な投入、各種の展示会への出展のほか、引き続き代理店販売の拡充等」の企業努力により上期は上振れしています。ただしバルカー同様、世界経済の不安定さや半導体供給問題により、通期で予想は据え置きとなっています。予想よりは悪くなかったので、下期もコロナ後の活動は拡大していくと思うので、通期目標の達成に期待したいです。ちなみに2022年9月30日時点での流動比率は約11.8と10を超えました・・・超財務優良です。流動比自体を詳しく調べていませんが、今のところ最も流動比がよい企業かもしれません
日本高配当株 22年10月決算で増配を決めた3社
次に今回の10月決算で増配を決めた3社について見ていきます。
◆リケンテクノス(4220)
最初にリケンテクノスを見ていきます。こちらは過去に紹介済みの銘柄です。
リケンテクノスの上期経常利益は、従来予想の1.44倍の4,040M円。これにより通期予想を従来の1.17倍の7,600M円に上方修正しています。セグメントとしてはトランスポーテーション(自動車関連)やエレクトロニクス(電力・産業電線・通信市場向け塩ビ)といった製造向け事業においてプラス成績でした。これは円安メリットを生かした海外販路の拡大と物価高を販売価格に転嫁できたことによるものです。一方マイナスとなったのがデイリーライフ&ヘルスケア事業です。こちらの売上は23.8%増でしたが、原材料費の高騰を価格転嫁できなかったため利益としては50.7%減という厳しい状況でした。ただし上記3に加えてビルディング&コンストラクションという4つの事業がきれいに分散されているので、通期的にも問題はなさそうです。
◆兼松エレクトロニクス(8096)
紹介記事はこちらです。
上期の経常利益の上振れは、製造業向けのサーバー関連事業やクラウドサービス関連事業 が堅調に推移したことが大きかったようです。主な内容はリモートワーク環境構築や企業内のデジタル化の推進、高度化・多様化するサイバー攻撃への防衛、業務効率を目的としたIT投資といったところで需要が旺盛だったようです。今後もIT関連の需要は伸びていくと考えられますので、ある程度は安心して保有できると思います
◆ヒガシトゥエンティワン(9029)
こちらも過去の紹介記事はこちらです
上期の上方修正要因は、2021 年 10 月より開始したインフラ 会社向け資材調達3PL事業(客先企業の物流改革の提案から運営までを包括的にサポートする物流業務のアウトソーシングのこと)の通年化や一時的な要因による売上の増加、当期首より新たに連結開始した山神運輸工業の付加価値の高いエンジニアリング事業の増加、オフィスサービス事業の進展等となっています。3PLはヒガシトゥエンティワンがメイン事業としている内容ですので、メイン事業で好業績だったのは好印象です。下半期は、北大阪ロジスティクスセンターをはじめとする、大型新センター開設に係る初期投資費用や、中期的な成長を牽引する重点事業領域への人材投資等が予定されているようです。さらに自動車や半導体関連事業の減産によるマイナス分を加味しても通期を上方修正できるということは、通期事業がうまくいっている証拠だと思います。日本生命や関西電力が大口顧客となっていますので、ここでの実績をもとに、ほかへの販路拡大もやっていってほしいところです。
日本高配当株 そのほかの銘柄
そのほかの銘柄も駆け足で見ていきます。
◆トーカロ(3433)
トーカロについても過去記事があります。
メインの溶射事業では前年比10%以上の成長を見せていますので、企業としての問題はありません。ただし半導体関連の景気後退懸念がありますので、通期としては据え置きとなっています。
◆武田薬品(4502)
海外売上が好調なようです。あとはここ数年でメイン利益を出している薬品の特許が切れます。これから数年で次の新薬を開発できるかが勝負ですね。こちらはいろんな方が解説されていますので、ここでは省きます。
◆日本空調サービス(4658)
売上自体は好調だった昨年とほとんど変わらない状況ですが、原材料高騰の影響を受けて経常利益は減少しています。ただこの銘柄は毎年1-3月期の利益が大きいので、これからに期待したいです。2020/2021とも1-3月期は1,000M円程度の経常利益を出しています。今年度は経常利益3,000M円は無理でも2,800M円くらいは目指してほしいです。
◆昭和システムエンジニアリング(4752)
昭和システムエンジニアリングに関する過去記事はこちら
生産性向上や競争力強化を目的としたデジタル関連が好調だったようです。ただし通期は経済状況の不安定さから経常利益予想を据え置きとしています。上期の業績をみるとかなり慎重な感じがしますが、昨年の10月の決算報告でも上期は上振れしても通期での予想は据え置きのままでした。5月の決算報告で通期の上方修正。という感じですので、この銘柄に関しては気長に待ちたいですね。
◆キヤノン(7522)
通期従来予想378,000M円に対しては、367,000M円と下方修正しています。3Qまでの経常利益は231,969M円。昨年度の経常利益は302,706M円ですので、昨年度の数値は超えれそうです。配当金も120円予測(昨年度:100円)をキープできそうです。
◆電源開発(9518)
売上高では電気事業及び海外事業での電力販売価格の上昇、石炭価格の上昇 による豪州連結子会社での石炭販売収入の増加等による売上高の増加などにより経常利益を大きく上方修正しています。中期計画では配当目標は30%としているので今後の増配も考えられますが、まずは昨年から5円増配はしていますので、今後も安定した配当出してもらうためにも財務の健全化を期待したいです。
◆イエローハット(9882)
上期予想の4,900M円に対して、27.8%増の6,262M円と好調です。通期では15,500M円目標のため、進捗率としては40.1%と物足りないです。ただし4半期毎の決算を見ていくと、10-12月期の経常利益が、2020.10-12:6,990M円、2021.10-12:7,113M円と大きいです。このため10-12月期に例年通りの経常利益を上げれれば昨年度以上の利益を達成できます
◆因幡電機産業(9934)
因幡電機産業に関する過去記事はこちら
上期終了時の経常利益は昨年比21.7%の10,461M円。通年目標に対する進捗率は57.5%と全く問題はありません。内容としては、電設資材や建設着工、企業の設備投資はコロナ禍前水準に戻りつつあり増益となっています。一方、半導体不足や中国のロックダウン、夏の気温がそこまで高くならなかったことから、自社製品であるルームエアコンの売り上げ台数はマイナスとなっています。ただルームエアコンに関しては、原材料費の高騰を販売価格に転嫁したため、売上高は昨年同期比9.1%増の36,382M円となり、どの事業もプラス推移できています。
日本高配当株 22年10月決算保有銘柄まとめ
最後までお付き合いいただきありがとうございました。また次の機会にお会いできるのを楽しみにしております。
※投資は自己責任になります。ご自身の判断で投資をお願いいたします。
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